レイ・ダリオのオールシーズンズ・ポートフォリオを取り入れてみる

アンソニー・ロビンズ著『世界のエリート投資家は何を考えているのか:「黄金のポートフォリオのつくり方」』を読みました。



著者自身はコーチングのカリスマであり投資家ではないのですが、輝かしいコーチングの実績で培った人脈を生かし、世界の名だたる投資家にインタビューした結果を1冊にまとめたのがこの本です。

例えばインタビューをしているのが、バークシャー・ハサウェイを率いる超大物投資家ウォーレン・バフェット、ヴァンガード社創業者のジョン・C・ボーグル、そして世界最大ヘッジファンド、ブリッジウォーター創業者のレイ・ダリオ等々。。。普通の人がまずリーチ出来ない投資家から聞いた話をまとめたというだけで、一読の価値があると思いませんか?

但し、基本的に一般アメリカ人向けに書かれた本の為、特に前半部分は「複利効果を最大限に生かす為なるべく早く投資を始める」とか、「多くのアクティブファンドは市場平均(インデックスファンド)に勝てない」など、多少投資を勉強した人なら既に押さえている内容がほとんどであることに注意が必要です(それでも、著者のいかにも米国人“ノリ”な文章はとても楽しく読めましたけど)。

そんな中、おそらく読者の関心が最も高い且つこの本の一番の“ウリ”は、著者が“黄金のポートフォリオ”と呼んでいる、レイ・ダリオによるオールシーズンズポートフォリオです(↓)。
※実際レイ・ダリオが採用しているのは、レバレッジや先物取引も駆使した「オールウェザー戦略」と呼ばれるものですが、それを一般投資家向けに単純化したものを、本来のものと区別する為にオールシーズンズポートフォリオと呼ぶそうです。

【レイ・ダリオのオールシーズンズポートフォリオ
・株式(S&P500):30%
・中期米国債:15%
・長期米国債:40%
・金:7.5%
・商品取引:7.5%


細かい解説は実際に本書を読んで欲しいのですが、このポートフォリオのポイントは以下の2つ。

1.株式のリスクは債券の3倍以上ある為、伝統的な50:50とか、40:60といった株式:債券比率はリスクの取りすぎである。
2.リーマンショック等の暴落時には、株債券も債券も同時に下がる為、これらと値動きが相関しない金や商品取引をポートフォリオに加える。

また、この戦略をとることで過去30年の平均利回りは9.7%、最大損失を出した年(2008年)の収益率もたった-3.9%(同年のS&P500が-37%)という、非常に強固な運用成績を上げているとのことです。

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これだけ読むと、一見夢のようなポートフォリオなのですが、そこには裏(というか日・米の環境の違い)があり、巻末で山崎元氏が解説しているように、日本人にはいくつか注意すべき点があります。
→参考リンク:山崎元「全ての環境で負けないポートフォリオを考える」 ~トウシルより

1)日本に居住している場合、債券投資は日本国債をメインに据えるべきであるが(為替リスクを回避する為)、国債の長期利回りは現状0.05%(変動10年)とアメリカの約3%と比較して非常に低い。また社会的背景を考慮すると、このギャップは当面埋まりそうにない(その分インフレ=物価上昇もないのですが)。

2)商品(=コモディティ)の比率が7.5%と比較的高いが、この部分こそレバレッジを掛けるなど、ヘッジファンドの腕の見せ所なので、一般投資家には銘柄選定をはじめ、運用のハードルが非常に高い。

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よって、日本で生活する(つまり日本円で消費活動を行う)一般の日本人が、このポートフォリオの良いところを取り入れるとしたら、以下の2つに集約されると考えています。

①リスクを下げる為、債券(日本国債)比率を高める。但し国債の利回りは低いので、あまり比率を高めるととリターンが抑えられるという点は考慮したい。・・・最大40%程度

②不況時の分散を狙うため、金(実際には金ETF)への投資を行う。・・・最大10%程度

この考察に基づき、今後の自信の投資指針を次のようにしたいと思います(何事も、「新しい知見を得たら、まずはやって見る」のが大事ですからね)。

まず①について、過去にも国債購入は考えたものの、超低金利なこともあり、なかなか購入に至らなかったのですが(流動性資産として主に現金=定期預金を所有)、定期預金の満期に合わせて国債(変動10年)購入にシフトしていきます。
→参考過去エントリー:「生活防衛資金を円定期預金で確保する」

②については、早速来月から金ETF(IAU:iShares Gold Trust)を積み立てを開始します。

まぁ金ETFはゼロからの積み立てになるので、目標比率の10%までは長い道のりです。しばらくは、ほとんど運用成績に影響を与えないでしょう。が、数年後、あるいは数十年後に来る株価暴落局面で、多少なり資産の目減りを緩和してくればもうけもの、くらいの気持ちで積み立てていきたいと思います。

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さて、このように「世界のエリート投資家は何を考えているのか」は、久々に本を読んで即実行してみたいと思える良本でした。
まだ読んでない方はぜひ一読することをオススメします。

(おわり)
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アーリーリタイア後の住居問題を考える

アーリーリタイア、セミリタイアした後に非常に悩ましいのが住居の問題です。

多くのブログでリタイア後、つまり無職の場合の賃貸の借り難さついて言及しています。
例えばこちら(↓)。
参考リンク:「無職者が賃貸住宅を借りるための8つの選択肢」~1日不作1日不食 より

一般に無職の人が賃貸契約を結ぶのが困難な理由は、民法上、賃貸借契約が過度に借主側保護に振られている為、貸主側が賃貸契約に慎重にならざるを得ない為です。
これって雇用契約において、雇用主の解雇権が弱い為に雇用の流動性が低くなった結果、かえって雇用される側(労働者)に不利になっている現状とよく似ていますね。

このようなリタイア後(=無職状態)の住居問題と対策については既に語りつくされた感がありますが、自分の考えを整理する為にも、以下に選択肢をまとめてみます。

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1.自宅を一括で購入する。あるいは既に購入・ローン返済済みである。

 私も最終的には、『終の棲家』として家の購入を考えてます。しかし、まだ最終的に住む場所を決めていないので、今はまだその段階ではありません。
 自宅を購入する(あるいは購入済み)の場合は、リタイア後の住居問題について余り悩まなくていいですね。
 購入費の他、経費として固定資産税・修繕費等を計画的にリタイア予算に組み込んでいれば問題ないでしょう。

2.離職前にリタイア後の賃貸住居を契約する。

 実効的にもっともお勧めしたい選択肢です。就業中に賃貸契約を済ませておけば、(基本的に再審査は無いでしょうから)家賃の滞納が無ければ特に問題は発生しないでしょう。
 問題点があるとすれば、離職と同時に長距離の移住を伴う場合です(私はこれに該当)。セカンドハウスなり、転勤予定等の言い訳を考えることも出来ますが、契約時に虚偽の申告をするのはトラブルを避ける為にもお薦め出来ません。

3.保証会社、保証人(親兄弟)を使って賃貸契約する。

 一般的に無職だと賃貸契約のハードルは非常に高いと言われてますが、保証会社や保証人を立てることで、契約審査にパスできるケースもあるようです。例えばこちら(↓)。
参考リンク:「アパート審査の結果が出た」~Time is money キムのセミリタイア日記 より
 おそらく、オーナーがとにかく空室を埋めたい場合などに有効だと思うので、まずはトライしてみるのが大事だと思います。

4.UR(都市再生機構)物件の預金条件を利用する。
 
 アーリーリタイア組には良く知られていますが、UR(都市再生機構;以前の公団住宅)が提供する賃貸住宅を活用する方法があります。
 URの申込み資格には、通常の給与収入条件の他、貯蓄基準条件を選択することが出来ます。この場合、契約物件の家賃x100倍の預金証明を提出することで契約が可能です(家賃5万円の場合500万円)。やや厳しい基準ですが、URも慈善団体ではないので、滞納リスク回避の為に金額はこんなもんでしょう。そもそもリタイア時にこの程度の預金はないと、とうていアーリーリタイアなど不可能です。※株式や債券は預金に含まれないので注意。
 欠点は、UR物件の多くが都市およびその近郊に集中していることです(そもそも都市部の住宅不足解消の為に設立された団体ですから)。住みたい場所によってはUR物件が無い場合もあるでしょう。また物件も比較的古いものが多いので、住居や設備にこだわる人にはあまり向かないかもしれませんね。


さて、私はというと上記のオプションの中から、4.のUR賃貸住宅を選びました。理由は以下のとおりです。

①リタイアと同時に新潟→福岡に移住予定であったこと(この時点で2.の離職前の契約は不可)。
→関連エントリー:「45歳でアーリーリタイア(セミリタイア)しました」
②福岡近郊にUR物件が充実していたこと。
③内見でたまたま気に入った物件が見つかったこと(もし気に入ったUR物件が無ければ3.の保証会社、保証人(親兄弟)を利用するつもりでした)。

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そのUR物件ですが、昨年12月から住み始めて早6ヶ月になります。ここで実際に住んだ印象を書いてみますね。

これまで日本のみならず、アメリカ、台湾と20年以上、賃貸住宅を転々としてきましたが、賃貸契約には常に悩まされてきました。具体的には契約期間や更新料、退去時の過剰な清掃費の請求など。。。大きなトラブルは無くとも、決して小さくないストレスです!

対してUR物件は保証人不要、更新料無し、敷金もほぼ返却されるとのことで、契約面ではかなり公正明瞭です。
働いている人も一般の不動産業者とは違ってさほど押しが強くなく、よい意味でのんびり、でも誠実な感じで好感がもてます。

物件が古いことはデメリットですが、その分家賃は安く、内装はリフォーム済みで住み心地は通常のアパートとさほど変わりません(※印象は個人差が大きいです)。しかも物件が古い分、退去時のチェックもだいぶ緩いと聞いているので、気を使わなくていいのもかえって有りがたい。。。
更に、住宅周辺の清掃・整備も行き届いているのもポイント高いです(一般アパートは家主によっては管理会社に丸投げでメンテが行き届かないケースもありました)。

一方デメリットは、高齢者が多く、(それ自体は問題ないのですが)喫煙率が高いことです。あとは建屋が古い、子供の遊び声が大きい、等々でしょうか?
これらが気になる人はUR物件は避けた方が無難でしょう。

まとめると、個人的な印象と断った上で、全体的にはURの賃貸住宅は“悪くない”ですよ。あくまでリタイア後の仮住居として、ですが。

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今後は人口減で住居も余ってくるでしょうから、リタイア後住居の選択肢は徐々に増えてくるでしょう。そして最終的には、リタイア後の住居問題(=資産があっても住居が借りられない問題)は解消すると予想しています。

その間、私としてはしばらくは(福岡に住んでいる間は)UR住宅に住み続け、引越しの際に改めて住居オプションを考え直します。
それまでに、ライフプラン、資産管理プランとあわせて住居プランもじっくり考えていきたいと思います。

(おわり)

↓アーリーリタイアや投資とは関連無いですが橘玲氏の自伝的新作です。橘ファンならずとも、80年代を良く知る40代、50代にオススメ。

アーリーリタイア後は複数の収入源を確保する

縁があって4月からアルバイトを始めました。
とはいっても週1回、3時間程度の仕事ですが(笑)。

仕事内容は前職(アプリケーションエンジニア)の経験を生かしたもので、フルタイムの仕事を辞めた後に、ぼんやりとやってみたかった活動でもあります。
収入的には微々たるものですが、ストレスもなく、人生をスローダウンした後のPart Time Jobとしては理想的かもしれません。しばらくは続けることになりそうです。

さて、いろいろなアーリーリタイア・セミリタイアブログでは、リタイア後に複数の(小さな)収入源を持つことが推奨されています。
→例えばよく読ませてもらってるCub氏のブログのこのエントリー:「【複数の収入源を持とう】5つの収入源を持つ海外セミリタイヤのタイでの新しい小商い実践情報」~旅するように暮らす海外生活術 One Bag Living より

皆さん、ある程度資産を積み上げてからセミリタイアしているとは思いますが、資産の取り崩しを防ぐ・あるいはそのスピードを遅らせるという目的で、(自由度を損なわない範囲で)少しばかりの収入源を確保するのは自然な選択です。

そう言えば自分でも↓のように書いていました。
→参考過去エントリー:「45歳でアーリーリタイア(セミリタイア)しました」
『アーリーリタイアやセミリタイアの定義は人それぞれでしょうけど、私の中では、「収入のみを目的とした仕事はせず、好きなこと・ストレスのないことだけを生活の糧として生きていくこと」といったところです。そういう意味では、今後ストレスのない範囲で、お金を稼ぐ活動は多少するかもしれません。

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さて、2018年は私のアーリーリタイア初年度ですが、前述のアルバイトとあわせ幾つかの収入源を持てそうなので、以下にリストアップしてみます。


1.配当収入:海外証券口座で運用しているETFからの配当収入

2.利子収入:円およびドル定期預金からの金利収入

3.アルバイト収入:専門知識を生かした週1回、3時間程度の労働収入

4.オークション収入:不用品や過去に集めたコレクションを断捨離して得る収入

5.特許収入:前職で取得した特許(所有権は会社)からの分配金収入

6.(おまけ)失業給付:2018年に限定されますが、求職中は最大5ヶ月分支給されます(もちろんパート求職でもOK)。


結構ありますね(驚)。失業給付を除いて各収入額は微々たるものですが、チリも積もれば何とやらです。
著名リタイアブロガーKotaro氏のブログにも、リタイアしても収入はゼロにならないという記事がありましたが、まさにその通り。
→参考ブログ:「退職しても無収入でいることのほうが難しい」~SOUTAi 40 より

これくらいあれば、毎月の基本生活費(住居費・光熱費・食費・通信費など)はぼぼカバー出来そうです。もちろん、節約生活が前提となっていることは言うまでもありません。

また、社会保障費や税金関係(前年度収入によるため特に大きな出費)、車検費用などのまとまった出費は、退職金や資産の取り崩しで支払うことになると思います。
これらも出来ればキャピタルゲイン(の含み益)でカバーしたいところですが、まぁマーケットに過剰な期待は持たないようにしておきます。
そもそもほとんど仕事をしてないので、資産が全く減らないようにするというのは、虫が良すぎるでしょう。

皆さんもアーリーリタイア、セミリタイアをする前に、出来るだけ多くの(小さな)収入源を確保しておくことをお勧めします。
たとえそれぞれの収入が1、2万円程度でも、リタイア後は経済的・そして心理的に大きな心の支えになりますよ。



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