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イチロー選手の英語力炎上を冷静に考える

少し前に、3000本安打の偉業を達成したイチロー選手について、ESPN記者の同選手に対する英語力に対するツイートが炎上しました。
(→参照リンク)THE PAGE 「これも3000本余波? イチローの英語力を巡って米国SNSが炎上!」

記事の内容、特にヤフ―スポーツ記者の反論はもっともで、メジャー3000本安打という偉業を成し遂げたイチロー選手への、侮辱的かつ差別的な発言は決して許されるものではありません。

が、ここは一旦落ち着いて、それではESPN記者が求めていた英語力とは一体どのようなレベルなのだろう?という疑問を、自己の体験から(とっても限定的ですが)、冷静に考えてみたいと思います。

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まず私個人の英語レベルですが、留学経験無し、理系エンジニア、米国駐在が3年半、それから日本を挟んで台湾に半年、外国での勤務中は基本、英語でのコミュニケーションです。また、数年前に受けたTOEICは800台前半という、(英語が本当に出来る人にとっては)しょうもないレベルです。

それでも、“英語を喋ること自体より、仕事内容そのもので比較的評価されやすい”という点で、スポーツ選手もエンジニアも共通するものがあると思ってます。

で、英語力の低さを痛感した出来事として、最近、台湾の若手エンジニア向けに2時間の技術教育(プレゼン)をやってくれ、という依頼がありました。何とかこなしましたが、正直ゲロが出るくらい大変でした(実際に神経性の下痢になりました。まぁこれは自分の体質の問題ですが)。

普段、同僚とのやりとりは英語で、かつ顧客を訪問すれば10~15分くらいの英語プレゼンや技術ディスカッションは、(英語の正確性に拘らなければ)普通にこなすくらいのレベルでも、だいたいその程度な訳です。

純粋培養の日本人で、アメリカとかヨーロッパの大学で教壇に立ち、毎週長時間の講義をする人とか、本当に尊敬&頭が下がりますわ。。。

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で、結局何が言いたいかというと、メジャー選手のインタビューのように、

アメリカ国内で、ネイティブが話す容赦ないナチュラルスピードの英語を聴き、即座にその内容と(プラス、時にはその質問の意図や背景まで)完璧に理解した上で、自分の考えを、これまた最適な語彙を使って英語で回答する。。。

そういう英語力って、言語体系の全く違う日本人にとって、エベレストのように高いレベルな訳ですよ。

だから冒頭のESPN記者の、「長く住んでいるんだから、英語を簡単に話して然るべき」っていうのは当然間違っているし、
対するヤフー記者の、「いや、イチローは流暢に英語を話すよ、だけど完璧主義だから正確を期して通訳を使うんだよ」という擁護も、間違ってなくとも、やや的外れに感じます。

たぶん2人とも「言語体系の全く異なる日本人が、パブリックなインタビューを英語でこなす」のが、どれだけ高いレベルの英語力を必要とするか、本当に判っていない(=ネイティブによる想像力の欠如)、ことにつきると私は思うのです。

これが通訳者や英語教育の専門家であれば、責められて叱るべきかもしれません。
が、超一流のアスリートな訳です。インタビューではなくプレーを見てもらえればいい訳です。

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最近読んだ、めいろま(谷本真由美)氏の著書「日本が世界一貧しい国である件について」で、良い例えがあったので紹介します。

(引用開始)
「海外に出てどこでも仕事をするために必要な英語力とは、どの程度のことを言うのでしょうか?これは実に簡単です。普段自分が会社で取り組んでいるすべての活動が英語に置き換わる、と想像すればいいだけです。」
(引用終わり)

どうです?ぞっとしませんか?(少なくても私はぞっとしました。日本にいるときと同レベルの仕事が出来ていないので。)
外国で、英語を使って仕事をすることについて、想像以上に高い英語力・語彙力・表現力が必要であることが、容易に想像できると思います。

ただ1点だけ、冒頭のESPN記者の発言に共感できる部分があるとすれば。。。
仮に下手な英語でも、インタビュー冒頭は英語で受け答えするとか、そういう部分があれば、アメリカでもっと“人気”が出たのかな~という気はします。やっぱり、たどたどしくても自分の言葉で喋った方が人間味が伝わりますからね。。。

ちなみに、彼のように超一流のプレイヤーでもエンジニアでもない人は、語学力を本業に生かすという戦略もあります。
これについては過去エントリーを参照して下さい(→「標準スキルに英語力でレバレッジをかける」

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という訳で乱暴にまとめると、何年やっても外国語習得の旅は長い、そして終わりがないのです、残念ながら。
でもそれは、同時に楽しくて、そしてともて刺激的なことでもあります。It really is...

さ、自分も全く上達しない中国語、もっと頑張ろうっと(言い訳)。。。

↓はめいろま氏の本です。今ならKindle Unlimitedで読めますので、ぜひどうぞ。
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