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【H30年度確定申告版】海外口座の株式・ETF等の配当所得を申告する方法

(2019/1/23追記)
本記事は昨年度(H29年度)の所轄税務署職員とのやり取りをベースにH30年度版に再構成したものですが、海外口座で所有する上場株式・ETFについては、国内では「非上場株式」として扱うのが法律上の解釈として正しいと思われます(↓リンク参照)。この場合、配当金の課税方式は[総合課税]のみとなります。しかしながら、所轄の税務署の判断・裁量により[分離課税]として申告可能なケースも少なからず見られるようです(私自身も分離課税として申告経験あり。最近は総合課税ですが)。つきましては所轄の税務署に必ず確認の上、その指示に従って確定申告を行うことを強く推奨します。
(参考リンク→「『上場株も未公開株の扱い』海外口座の税金 その1」~『鎌倉見物』の米国株投資~より)

(2020/1/19追記)
海外口座で所有する上場株式・ETFの扱いについて相変わらず決定打はありませんが、[分離課税]可能という見解の記事もありましたので、こちらも掲載しておきます(↓)。いずれにせよ、かなりのレアケース(マニア?)なので、管轄の税務署の判断に従うことを全力推奨します。
(参考リンク→「IB証券(海外金融機関)で保有する海外ETFの配当金の所得税課税は総合課税のみでなく分離課税適用可能です(確定申告で注意!)」~マネーの知恵(仮)~より)

他、ドル建て配当金の円換算に使用する為替レートをTTM(旧)→TTB(新)レートに修正しました。(一貫性さえあれば)おそらくどちらを使っても良いと思われますが、大手ネット証券会社が米国株配当受取時の源泉徴収計算にTTBレートを使っており、私もこちらを採用しています。

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今年も確定申告のシーズンがやってきました。

既にセミリタイアしたため大した収入はありませんが、特殊な状況(海外口座)で外国株式(ETF)を持っていたり、また今後は社会保障費の免除・減免申請を行う可能性がある為、リタイア済みと言えどしっかり収入の申告をする必要があります。むしろリタイア後こそイチ投資家・個人事業主ですから、僅かな収入でも必ず確定申告しておくべきでしょうね。

さっそくですが、今年も国税庁の『確定申告書等作成コーナー』を使って入力していきます。

『確定申告書作成コーナー』については、今年リリースされた【スマートフォン版】の評判がすこぶる悪いようですが、以前からの【PPC・デスクトップ版】に関しては、メニューや誘導が非常に親切で、かつ殆どの計算を自動でやってくれますから、とても使いやすいソフトに仕上がっていると思います。というか、税額や控除額の計算が複雑すぎて、とても手書きで書ける気がしないです(汗)。

(参考リンク→「【悲報】スマホで確定申告、スマート申告が超絶使えなかった件【やっぱり】」~ひとり配当金生活-株式投資でセミリタイア~より)

さて一般的なチュートリアル(入力方法)は、それこそ『確定申告書等作成コーナー』内のヘルプや、この時期は各種マニュアル本も発売済みですから、ここでは一切触れません。このエントリーでは、私自身も毎年試行錯誤している、海外口座(海外の銀行や証券会社)で所有する株式・ETFからの配当の入力・申告方法というマニアックな部分についてのみ、H30年度版の作製コーナーを使ってレビューしてみます。

(参考過去エントリー→「【H29年度確定申告】 海外口座の配当所得を申告分離課税する場合の注意点」

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1)事前準備(これが大切)


海外の銀行(例:HSBC銀行)や証券会社(例:インタラクティブ・ブローカーズ証券やファーストレード証券)で発行される年次取引レポート等からDividends(配当)とWithholding Tax(現地の所得税源泉徴収)部分を抜き出し、表計算ソフト(Excel等)を使って銘柄毎に年間(2018年)の配当額および現地の源泉徴収額を集計します(※)。
※確定申告では当然日本円で申告する必要があるので、配当外貨額を受取日の換算レート(TTBレート)を使って円換算して集計します。

2)国税庁の『確定申告書等作成コーナー』を使って配当(オ)部分に上記集計結果を入力


(導入部分は飛ばします)下記の画面まで進んだら、[配当(オ)]を選択します。
配当入力

[1.配当所得の課税方法の選択]で、[総合課税]もしくは[申告分離課税]を選択します。
一般に本業の収入が無い・少ない方は総合課税が、収入の多い方は申告分離課税が有利です。また過去の株式の譲渡損益があり、損益通算する場合は申告分離課税とする必要があります(※)。この辺は各自の収入や条件に当てはめて選択下さい。
※海外口座の株式等譲渡による損益通算については様々な条件があるようですので、実際のところは税務署に問い合わせ下さい(私はやったことがありません)。

[2.株式等の売却・配当・利子等の入力]で、上から3番目の[「配当等の支払通知書」などの内容を入力する方]を選択します(海外口座上のETFは“特定口座以外”かつ“上場株式”と判断しています)。配当2

[1 上場株式等の配当等に関する事項]で、[個別に配当等を入力(訂正等)する。]→[入力]を選択します。

(1)支払通知書の種類→イ.[1上場株式等の支払い通知書]を選択し、ロ.外貨建資産割合→[1記載無し] 非株式割合→[1記載無し]を選択(海外口座の取引レポートにはそういった記載はない為)。

(2)配当等の種類→海外口座で所有する株式・ETFからの配当については、配当控除の対象外ですから、[4 配当控除(税額控除)の対象とならない配当等]を選択します。

あとは1銘柄ずつ、(3)~(9)を入力していけば完成です。

(3) 種目(全角5文字以内)→例:株式の配当 等

(4) 銘柄等→例:VT(バンガードトータルワールドストックETF) 等
※28文字の制限があるので“ETF”という言葉を入れつつ適便省略します。

(5) 支払の取扱者の名称等→例:インタラクティブブローカーズ証券(米国) 等

(6) 収入金額→現地源泉徴収前の配当金額※1)事前準備で計算した日本円換算後の金額

(7) 源泉徴収税額 (所得税及び復興特別所得税)→国内では源泉徴収されてないので「0」

(8) 配当割額控除額(住民税)→これも外国株は対象外なので「0」

(9) 負債の利子→関係ない為空欄

以上を入力すると画面下の(入力結果一覧)が下のようになります(1件目)。これを銘柄分繰り返し入力すれば配当収入の入力は完成です。
配当3

実はここまでの部分が、H30年度版になって改善された部分です。

H29年度版では、特に[申告分離課税]を選択した場合、(海外口座では)国内源泉徴収が無いにもかかわらず、(6)収入金額と(7)国内源泉調整金額との間で“源泉徴収有り前提で”税額の整合チェックがかかり、エラーが出て入力を進めることが出来ませんでした(最終的に“手書きで入力して下さい”という税務職員からのアドバイスでした)。

また[総合課税]を選択した場合でも、上記エラーは回避出来るものの、その為には[非上場株式等]を選択しなければならず、海外ETFも当然“上場株式”ですから(税務署職員に確認済み)、なんだかモヤモヤしたままでの申告となっていました。

(参考エントリー→「【H29年度確定申告】 海外口座の配当所得を申告分離課税する場合の注意点」

H30年度版に限っては海外口座の株式やETF(上場株式の配当かつ国内源泉徴収や配当控除対象外)を前提としても、特に不整合を感じる部分が無く、スムーズに項目が選択来るように改善されていた為、大変ありがたいです。

3)外国税額控除(43)の入力

以上が海外口座の株式やETFから得られる配当所得の入力方法ですが、外国株式の配当に関しては海外・国内の二重課税を回避(とはいえ全額戻って来る訳では無いですが)する為に[外国税額控除(43)]という項目があり、この部分の入力が必要です。

ここでも1)事前準備で集計した税引き前配当と現地源泉徴収税額を入力(現地通貨額・日本円換算額両方あり)しますが、この部分の入力方法は、国内証券会社で海外ETF等の配当を受け取った場合と同じ、且つ説明が長くなるので割愛します。以下のブログで非常に丁寧に解説されているので参考にしてみて下さい。

(参考リンク→「確定申告をして税の仕組みを学ぼう! (その7) 外国税額控除をやってみよう!(平成30年用更新版)」~個人凍死家テリーの投資生活チラシの裏~より)

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これでようやく「海外口座で所有する株式・ETFの配当所得に関する入力」が終了です。

如何でしょうか?結果として、H30年度版から海外口座で所有する株式・ETFからの配当金の申告について、[総合課税][申告分離課税]ともにしっかり対応されていることが確認できました。

昨年、税務署職員と何回も電話相談し、最終的にあきらめて次年度の改善要望としてリクエストした甲斐がありました(笑)。

冒頭に書いたとおり、PC版の作成申告コーナーは年々改善されて、日本の複雑怪奇な課税・源泉徴収制度に対応できるようになっているので、はじめての方でもぜひ使ってみることをお勧めします。

※(重要)尚、今回の記事はあくまでも私個人の体験(管轄する税務職員との相談)や私的な判断に基づいた内容で構成する為、間違いや解釈の違い、また他の税務署では異なった見解を出す可能性が十二分にあります。参考にしていただくのは結構ですが、くれぐれも所轄の税務署職員とよく相談の上、確定申告を行ってください。

一方、明らかに間違って部分があれば、ぜひ指摘していただけると大変助かります。

(おわり)

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コメント

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Re: 感謝!
こんにちは!海外口座の確定申告大変ですよね。私自身もネットで調べたり、何度も税務署に問い合わせたりして毎年試行錯誤して確定申告しています。所轄の税務署の判断や厳密な法解釈からは、本記事の方法が100%正しいかどうかはあいにく保証できませんが、多少でも他の方に参考になれば大変嬉しいです。
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他記事も拝見させて頂いています。引き続き更新楽しみにしていますので、よろしくお願いします!

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