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「DIE WITH ZERO」は良書だがFIREした人には不要かもしれない

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投資家・FIRE界隈で話題の本、「DIE WITH ZERO」を読みました。

本書の内容を一言でまとめると、

‟若い時の体験をUnder Estimate(過小評価)するな”ということです。全面同意します。

そして余計なお世話とは思いつつ、この本を一番読んで欲しいと思う人は、

‟早期リタイアを目指すあまり、20、30代にもかかわらず倹約が行き過ぎてしまい、若い時にお金を使う価値を過小評価している人”

となるかもしれません。

一方で、良書だとは思うものの、既にアーリーリタイアしてしまった自分には、残念ながら新しい発見・知見はそれほどなかったです。

それは私自身が年を重ねてしまったことと、(著者とは金額の多寡はだいぶ違うものの)若い頃に率先して自分が価値があると思うものにお金を使い、著者の言う‟思い出の配当を既に貰っている状態だからだと思います。

(関連過去エントリー↓)
「世界はあっけなく変わるのだから、行きたい場所があればすぐ行こう」

その意味で、この本を読むことで自分の過去の選択や行動が正解だったということを再認識させてくれる本でした。

会社員時代を思い起こせば、「戻ったら会社に席は無いと思え!」と上司に悪態をつかれつつも長期連休を取って沖縄にダイビング旅行に行ったり(笑)、昇進に繋がるであろう異動を断ったり、45歳ですぱっと会社を辞めてアーリーリタイアしたりと、まぁ周りの人には全く理解されないサラリーマン人生でしたが、本著を読むことで過去の自分が肯定されたようで、なんだか救われました(笑)。

(関連過去エントリー↓)
「ダウンシフティングとアーリーリタイア、経済的自由の話」
「45歳でアーリーリタイア(セミリタイア)しました」
「Positive Demotionを選択する」

まぁさすがにベストセラーだけあり、私個人の体験を引き合いに出すまでもなく、おそらくアーリーリタイアやFIREした人が抱いていた共通認識を、実体験を交えてすっきり1冊の本にまとめているのではないでしょうか?それだけでFIREを目指す人は読む価値があると思います。

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ただし(ネタバレになるので余り細かい内容には触れませんが)、著者がアメリカ人であることを考慮し、日本の国内事情に合わせて修正したい点が2点ほどあります。

1)日米医療費のギャップを考慮する必要がある。

公的年金や公的医療制度などの社会保障がアメリカより格段に手厚い日本では、‟更に”早く資産を切り崩して良い(!)と考えます。

本書では資産を切り崩し始める年齢を45~60歳としていますが、日本人なら(平均寿命が長いことを差し引いても)おそらく40~55歳位が資産を切り崩し始めるTipping Point(転換点)だと考えます。


2)老後資金(=リタイアに必要な資金と)を計算する‟魔法の式”を修正したい。

著者はリタイア資金を計算する‟魔法の式”として、
(死ぬまでに必要な金)=(1年間の生活費)×(人生の残りの年数)×0.7

を提唱していますが、ざっくりしすぎているので、個人的には2020年に法改正された「75歳までの年金繰下げ選択制度」を踏まえて、

(死ぬまでに必要な金)=(1年間の生活費)×(75歳-今の年齢)

を提唱したいです。
この式は、そこそこ働いて厚生年金をある程度積み上げた人なら(具体的には40歳以降)、75歳まで年金支給開始年齢を引き下げることで(年金支給額が約1.9倍に増えます)、以降は年金のみで生活を賄える状態になる為(しかも終身で!)、75歳迄に必要な金額として老後資金を計算する、という私個人のアイデアです。

注1)75歳は計算の為の一定の指標で、実際にはその時々の状況に合わせて、何歳で年金受給を開始しても良い。
注2)年金支給額が1.9倍になっても毎月の生活費を賄えないという人は。。。節約指向を身につけましょう。

(過去エントリー↓)
「75歳までの年金繰下げとアーリーリタイアは相性が良い」

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いずれにしてもアーリーリタイア、FIREを目指す‟若い人”は一読して損はありません。ぜひ書店か図書館で手に取ってみて下さい。

いっぽう既にアーリーリタイア済み、FIRE済みであれば、それは既に資産切り崩しのティッピングポイントを自分で決定したということなので(それ自体は素晴らしいことですが)、本著を読む意義は半減するかもしれません。が、本書を読んで過去の自分の選択を振り返るのも十分面白いと思います。

(おわり)

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コメント

No title
私も読みましたがほぼ同じ感想です。気になるのは年金で65歳支給がずれないかってことです。

私は50歳であと15年ですがその間には変更ないだろうと思ったりするんですけどね。

魔法の式は年間生活費×25年で問題ないかなと考えています。

No title
クロスパールさん、コメントありがとうございます。

確かに年金支給開始年齢の(選択制でない)‟強制”繰下げは気になりますね。

ただそういった大幅な法令変更は(60→65歳変更の時のように)決まってからそれこそ10年単位で徐々に変更されると思うので、おそらく我々の年齢(50歳前後)大丈夫じゃないですかね~。

50歳であれば年間生活費×25年で問題無いと思います!

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