FIRE時の税金最適化戦略を考える(投信の売却益を非課税にする方法)

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【免責事項/Disclaimer】
本記事はあくまでも個人の調査と経験に基づいたものであり、内容の正確性・正当性は保証しません。
過去記事のとおり海外株式やETFに関する課税方法は、非常に複雑かつ所轄税務署の判断によって変わる場合もあり、実際に確定申告する場合は税理士や所轄税務署、居住地の役所税務課の判断・指示に従ってください。

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しんの (@shinnox2)さんのツイートから。


このツィートを見て???と思い「売却益(分離課税)に控除を充てる方法があるのですか?」と質問してみたところ、以下の返信を頂きました。


改めて、九条さんのブログ記事をリンクし、重要な部分を引用します。(↓)
(関連リンク→)「確定申告を行う5つのメリット【2020年分】」 ~FIRE: 投資でセミリタイアする九条日記~ より

-----(引用開始)-----
給与などの所得は収入から所得控除を引いた残りの課税所得に対して税金がかかります。この所得控除には、給与所得控除、基礎控除、配偶者控除、扶養控除、社会保険料控除などがありますが、これらの控除を差し引いた結果、課税所得がマイナスになってしまう場合があります。所得額よりも控除額が多い場合です。
このとき、なんと株式などの分離課税の譲渡益から余った控除額を差し引けるのです。
-----(引用終了)-----

このルール、人によっては「それが何か?」程度のことかもしれませんが、私的には驚愕の事実でした。

その後、自分でもネットで調べましたが、大和証券や野村證券の資料、そして何名かの税理士さんが言及しているので、どうやら事実のようです。‟どうやら”と書いたのは非常に稀なケースだからか、紹介事例が非常に少ないのです。
※特に国税庁のサイトで本項を見つけられなかったので、記載箇所をご存じの方はぜひご連絡を。

私自身は上場株式の譲渡所得(所得税・住民税は分離課税)からも各種控除を差し引くことが出来るなんて、全く想像していませんでした。きっと同じような人も多いのでは?

でも、私のような無知な人が多くても致し方ありません。例えば私個人のR2年度確定申告での各種控除は、

・基礎控除:48万
・配偶者控除:38万
・社会保険料控除:35万
・小規模企業共済掛金控除:27万
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合計:148万

でした。現在週3日のバリスタFIREによるパート収入があり、加えて株式(ETF)からの配当収入や少しの雑収入もある為、それらの所得で上記の控除分は使い切ってしまいます。
ましてや、リタイア前の会社員の場合、前述の‟(総合)課税所得がマイナスになってしまう”ことはまずあり得ないでしょう。
更に、おそらく年金所得があっても、(総合課税所得額)≦(控除額)となるケースは非常に稀なのではと思います。

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だがしかし!です。

これが(完全)アーリーリタイア済みで、かつ年金受給前のニッチな属性の時に、(配当を出さない)投資信託などを売却するケースならどうでしょう。
上記の約100万~150万円の控除は、他に所得が無ければ全て投資信託の売却益(譲渡所得)の控除に使えます(※)。
※特定口座では源泉徴収されるが、確定申告をすれば還付される。

仮に投資信託による運用でアーリーリタイアに十分な資産を築いたとして、45歳でリタイアすれば65歳までの20年間、約3000万円(150万x20年)の売却益が非課税に出来る計算です。まぁ、あくまでも机上の空論で、実際そう上手くは行かないでしょうけど(笑)。

もう少し戦略的に利用するなら、毎年、投資信託の売却益を、‟(総合)所得税を超えてマイナスとなった控除金額の範囲内に収まるように”取り崩していけば、完全に非課税で運用出来ることになります。これならタイミングによってはうまく使えそうです。

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これまで、資産形成やFIREに関するいろんな本を読みましたが、上記のメリットに触れた本は余りなかったと思います。

おそらくそれは、これまでにアーリーリタイアやFIREした人が、株式の配当や副収入があり、総合課税で各種控除を使い切ってしまう人がほとんどだからだと想像します。
実際に私も、今の『週3日働くバリスタFIRE』程度の収入で各種控除を使い切ってますからね。。。
(関連過去エントリー→)「セミリタイアなら週3日のパート労働が最強かもしれない」

ですが、今後年を重ねてパート収入が減り、晴れて?(総合課税所得額)≦(控除額)となった場合には、積極的にこの方法を試してみたいと考えてます。

さらに1点付け加えるなら、年金支給開始年齢(65歳)になっても、(収入が増えないよう)受給開始年齢を繰り下げて、その間に投信を売却し、譲渡益にかかる課税を出来るだけ圧縮する、なんて方法も思いつきました。
(関連過去エントリー→)「75歳までの年金繰下げとアーリーリタイアは相性が良い」

いずれにしても私自身はまだ検証していないので、既に実践された方がいれば、コメント欄などで教えて貰えると嬉しいです。

(おわり)

(2021/2/21追記)
パンダック(@pan_duk)さんより、個人住民税について上記方法を採ると、住民税そのものは非課税となるが、国民健康保険税が増加する懸念があるとの指摘を受けました。確かに国民健康保険税の場合、基礎控除の43万のみなので、それ以上の所得を申告をすると国保税が増加します。
この辺り、住んでる自治体や家族構成によって条件がかなり変わるので、国保税が増えても(住民税の)確定申告をして還付を受けた方が得か、あるいは申告不要制度を使って住民税は源泉徴収のみに留めるか、そもそも最初から譲渡益を43万以下に抑えるか、事前にシミュレーションすることをお勧めします。
(関連過去エントリー→)「【R2年度確定申告・申告編】住民税の申告不要制度(特定+一般口座の場合)にトライしてみる」




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