日本人はテクノロジーに対して意外に保守的

今週のThe Voice(Top12)、相変わらずSawyer Fredericks君(16歳!)のパフォーマンスが素晴らしかったです。ジョン・レノンということで、賛否両論があるようですけども。
(→関連過去エントリー「UniqueとDifferentを考える」



ところで、先シーズンから取り入れられたInstant Save(インスタントセーブ)のシステム、いろんな意味で凄くね?と思いました。

このシステム、事前の視聴者投票でのワースト3人が、最後にラストチャンスとしてパフォーマンスを行い、直後のTwitterの#(ハッシュタグ)を集計して、1人だけが次ラウンドに進出出来るというもの。いかにも(新しいものを取り入れるという意味で)革新的なアメリカらしい発想ですよね。

-----

さて、ここで思ったのが、

「日本人は新しいテクノロジーに対して保守的である。」

ということ。こう書くと、嘘でしょ~世界で一番テクノロジーが発達しているこの日本で!
などと言われそうですが、TheVoiceの例だけでなく、アメリカでしばらく生活したり、欧州やアジア各国を仕事やプライベートで廻った経験から、個人的にはそういう印象を持っています。

もっと正確に言うと、もちろん工業レベルでは最先端のテクノロジーを生み出している国のひとつなのですが、

「一般人の幅広い年齢層のレベルで、新しいテクノロジーを取り込むことに関しては、意外にも保守的。」

ということです。

例を挙げれば、

・遅々としてすすまない電子書籍や音楽ダウンロードの浸透(iTunesなどは国内で浸透する前に、既に世界のトレンドはストリーミングへ移行)。
・オンラインストリーミングでの映画鑑賞(いまだにレンタルDVDショップが混雑しているのを見るとびっくり)。
・米ではどこのスーパーでも当たり前にある無人レジ(最近ようやく大手スーパーで見かけるように)。
・LinkedIn等、SNSを利用した転職活動

などなど。

こういった便利で新しい技術が浸透しない原因はいったいなんだろう??と良く考えます。
もちろん、既得権を持っている企業・団体の抵抗や、がんじがらめの法規制がそのひとつだとは思いますが、それ以上に大きいのが、

1)新しい技術が全ての年齢層、社会層に対してフェアでなければいけない、という(必要以上の)配慮
2)新しいものを取り込むのに比較的慎重(保守的)な日本人の国民性

じゃないかという仮説をたてています。

1)全世代・全社会層への配慮については、そもそもアメリカのうようにDiverse(多様)で格差の大きい社会では、そういう発想が少ないように感じます。新しい技術は一定の社会層やいわゆるアーリーアダプターによって取り込まれ、もしそれが便利であれば、どんどん一般僧に拡散・普及してく、、、という流れ。

日本では今後ますます高齢化が進むので、新しい技術の取り入れが難しくなっていくでしょうね(年を重ねるほど変化を嫌うのはどの人種でも一緒)。

2)の国民性(?)については、自分も謎な部分が多いです。よく言えば新しいものの見極めに非常に慎重、悪く言えば変化を嫌う国民性というとことでしょうか?

全般的に、とりあえず試して駄目だったら他のオプションを選ぶというマインドが日本人には少々足りない気がします。
個人レベルでも社会レベルでもアメリカが強いのはココ。まずはチャレンジ、そして駄目なら改良する(=いわゆる“走りながら考える”)、あるいは他のアプローチを取り入れる。そうやって社会全体がどんどん前に進んでいきます。

-----

以上、あくまでも個人的な意見と仮説なのですがどうでしょうかね?もし違うご意見や考えがあれば教えてもらえると嬉しいです。

そういう私も既に40歳を超え、なかなか新しいことを覚えるのがおっくうな年になってきています。日本の伝統が持つ文化的、社会的に良い部分は確実に継承しつつ、新しいテクノロジーに関してはめんどうくさがらずに、(まずは個人レベルで)貪欲に取り込んでいきたいと思います。

未来の社会はキモチでまわる: IT が変える、僕らの繋がり、キモチ、自由意志〜時代を生き抜くための 28 のヒント未来の社会はキモチでまわる: IT が変える、僕らの繋がり、キモチ、自由意志〜時代を生き抜くための 28 のヒント
(2014/10/22)
松井博

商品詳細を見る
関連記事
スポンサーサイト

コメント

こんばんは。意見あれば、ということなので僭越ながらコメントさせていただきます。

例にあげられているようなオンライン系のサービス普及度の違いは2つの要因が大きいのではないでしょうか。

1.国土の広さの違い:ご承知の通りアメリカはだだ広いので店舗に出向くよりオンライ系のサービスを受けるメリットがより大きいと思います。他方日本は極端に人口が集中しているので店舗の効率はアメリカより高そうです。電話会議やビデオ会議がアメリカで普及しているのに日本ではイマイチ気味なのも同じ理由だと思っています。

2.新しいテクノロジーは通常発祥した地域でまず拡がるのではないでしょうか。例えばLINEのようなアプリは日本で産まれて日本で広まっていますが、最近ではアメリカでも使ってる人が徐々に増えています。逆にアメリカで生まれた技術はまずアメリカで普及してその後他の国に広まるのが普通で、モノによってはそもそも日本の文化や社会慣習にあわないため全く普及しないケースもありそうです。例えばSNSを使った転職については、テクノロジーの話というよりそもそも労働環境の違い(例えば転職の頻度の違い)が大きいのでは?

新しいテクノロジーの多くは、その発明者が所属しているコミュニティの制約(地理的成約や社会慣習)を前提に産まれてくると重いますので(その制約をより便利にするケースとその制約を打ち破るケースと両方あると思います)、それ以外のコミュニテイでの普及に時間差があったり、そもそも普及しないというのはある意味必然な気がします。


>おしょわさん、

コメントありがとうございます。コメント極小のブログなので非常に嬉しいです(笑)。

1の国土の広さの違いは確かにありますよね(特に米国)。
ただ比較的都市部でもKindleの普及でリアル書店がどんどん潰れていったり、ブロックバスターなどのレンタルDVD屋が倒産したりと、オンラインサービスの普及速度と、旧サービスの衰退速度が凄く早い印象を持ってます。

また、2の「新しいテクノロジーは通常発祥した地域でまず拡がる」はまさにその通りで、実はこれも理由のひとつに書こうと思ってました。難しいのがこういった革新的なテクノロジーの発祥のほとんどが現在アメリカ発なので、なかなか比較対象がないことです。日本発のテクノロジーが、日本で広がるよりも先に海外でどんどん使われる、そんな事例が増えると、もうちょっと説得力のあるモデルになるのですが。。。
 SNSでの転職活動などは、おしょわさんのおっしゃるとおり、慣習の違いによる要因の方がどうやら大きそうですね。これは悪い事例でした。

いずれにしても、個人の肌感覚としては、日本人が新しいテクノロジーの取り込みに保守的、という漠然とした確信があるのですが、それを論理的にサポートする部分が書ききれてないところが、このエントリーの弱いところです。

もう少し具体的な事例が見つかったらまたブログで書いてみたいと思います。
ご意見にケチをつける気は毛頭ありませんが、なんにせよブログにコメントつくとうれしいですよね。
当方はアメリカ在住の経験はありませんがそっち系企業の日本法人での職歴が長いのでご意見に共感することが多いです。年齢的にも近そうですし(当方40代半ばです)、定期的に拝見してますので引き続き楽しみにしています。
>おしょわさん、
理解しています。むしろ多方面から、角度の異なる意見を聞いたほうが、刺激されて、自分の考えも再構築出来ると思うので。
これからも他の方々が共感出来るようなエントリーが書けるよう、(力を抜いて)頑張ってみます。ありがとうございます。

管理者のみに表示

トラックバック

ブログパーツ